アジアカップで銀メダル?!ミャンマーのフットボール事情!
2018-09-16edit MyoMinThu (出典: ウィキメディア)
ミャンマーが東南アジアの発展途上国のひとつということは、誰もが知っている話しです。2011年から民主化が始まったこの国は、これから益々たくさんのエネルギーで溢れていくことが想像できます。
そこでカギになるのは若い世代の人々です。
日本は少子高齢化時代へと突入していくので、どんどん若者の数が減っていくのに対し、ミャンマーではこれから若者の数は増えていくことが十分に予想されます。
若い世代の人口が増えるということは、GDPを増やすため、国を経済的に強くしていくためだけに考えられがちですが、ミャンマーの若い世代の人生について話すときには、"サッカー" を切り離して話すことはできません。なぜなら、世界中のフットボールファンの御多分に洩れず、ミャンマー人もみなサッカーが大好きなのです。
ミャンマー代表のレベルってどのぐらい?
ミャンマーの田舎に住んでいる子どもたちの中には、教育のチャンスがない子もまだまだたくさんいるのが現実です。なので、有名なサッカー選手になるという夢は、彼らの人生を変えるための大きな希望となっています。だからミャンマーのサッカーチームでプレーしている選手は田舎出身の選手が多いのです。
ミャンマーサッカー協会の黄金時代は、1948年から始まり、1970年代に終わりました。1968年、ミャンマーナショナルフットボールチーム(当時はビルマナショナルフットボールチームと呼ばれていたそう)は、アジアカップで銀メダルを獲得し、1972年には夏季オリンピックにも参加しました。1960年代と1970年代のアジア競技大会は優勝を経験。さらに、東南アジア地域のサッカー競技大会において、ミャンマーは1965、1967、1969、1971、1973の5回連続で金メダルを獲得。少し前の時代、"アジアの虎" として常にアジアサッカーをリードする存在だったのです。
そこから他の国の台頭もあり、ミャンマーサッカーは衰退していくことになりますが、ここ数年で再びミャンマーサッカーに熱が帯びてきたこともあり、最新(2019年7月16日現在)のFIFAランキングでは、男子は138位、女子は44位とまずまずのポジションにランクインしています。(女子のレベルは高いものがあるのです!)
なお、日本サッカー協会からコーチの派遣がされていたり、日本の会社とミャンマーサッカー協会が業務提携をしたりと、日本側のサポートも増えてきていることも背景にあるかもしれません。
ミャンマーのストリートサッカー
路上でサッカーをすることは場所も選ばず気軽なので、ストリートサッカーはミャンマーで最も人気のあるアクティビティのひとつです。やっているのはほぼ男子ですが、中には女子の姿を見つけることもできます。
ミャンマー流ストリートサッカーには、6人のプレーヤーが必要です。1チーム3人で分かれ、2人がプレーヤーとなり、残りの1人がゴールキーパーをつとめます。ボールはプラスチック製のものを使うのが主流で、たまにラバー製のものを使っている人たちもいます。ただ、ラバー製が歩行者に当たって怪我をさせたりすることが多いため、軽いボールを使う人たちがほとんどです。また、プレーヤーは裸足が多いです。そうやって小さい頃からストリートサッカーに親しむことで、足腰が勝手に鍛えられているんですね。
このストリートサッカーはただの遊びではなく、国の祝日になるとストリートサッカー大会が各地で開かれるほど。最早、ミャンマーの文化のひとつといってもいいぐらい、人々の生活の中に刻み込まれています。
最近じわじわと人気になっているもの…
今から約10年前、ヤンゴンの通りには車も人もあまりいませんでした。そのような環境もあり、年齢問わず様々な人たちが一緒にサッカーをしていました。雨が降っていてもサッカー愛好家たちは自然と集まり、それぞれの土地で幸せにサッカーを楽しんできました。
現在、少しずつ人気が出ているのは「フットサル」です。
元々ストリートサッカーを親しんできた国民性もあり、サッカーよりもフットサルの方が身近に感じている人が多い印象もあります。このフットサル文化は首都のヤンゴンだけではなく、マンダレー、モーラミャインなど有名都市でも広がりを見せています。これは、間違いなく若い世代の子どもたちが夢中になっているプレーしていることが関係していますが、昔のようにどこかしこでプレーできる環境ではなくなってきているため、フットサルコートを借りるか、大きめの公園でプレーするかというのが一般的です。
いくつかの「オープンパブリックエリア」という無料でフットサルができる場所がありますが、そこでは交代制なのでプレー時間は限られてきます。フットサルコートはレンタルするのに10,000から30,000チャット(日本円で800円から2,400円)かかり、さらに街中にはないため、車かタクシーで行くことが求められるので、実はあまり手軽にできるものではないのかもしれません。それでも、ハングリー精神のあるミャンマーの若者たちが、サッカーやフットサルで成功を収め、ミャンマーを代表する選手となっていくことを私は心から望んでいます。その環境が早く整っていくことを願うばかりです。
最後に:ミャンマーナショナルリーグ(MNL)
2018年度のミャンマーナショナルリーグには、12のサッカークラブチームが参加しました。ミャンマーナショナルリーグの前は、ミャンマープレミアリーグが唯一のリーグでした。ミャンマープレミアリーグのほとんどのクラブは、ヤンゴンを拠点とするサッカークラブチームでしたが、2009年からはミャンマーナショナルリーグに置き換えられ、様々な地域のクラブチームが誕生しています。
ミャンマーナショナルリーグの12のサッカークラブチームは以下
1. Yangon United FC (represents to Yangon Division)
2. Yandanarbon FC (represents to Mandalay Division)
3. Ayeyawady United FC (represents to Ayeyawady Division)
4. Shan United FC (represents to Shan State)
5. Magway FC (represents to Magwe Division)
6. Hnantharwady United FC (represents to Pegu Division)
7. Southern Myanmar FC (represents to Mon State)
8. Zwekapin United FC (represents to Kayin State)
9. Rakhine United FC (represents to Rakhine State)
10. Sagaing United FC (represents to Sagaing Division)
11. Myawady FC (represents to Military)
12. GFA FC (represents to Chin State)
レビュー
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