サ・トゥ・ディ・タール(Sa-Tu-Di-Thar)〜ミャンマーの伝統的な寄付文化〜
2019-02-01edit MyoMinThuサ・トゥ・ディ・タール(Sa-Tu-Di-Thar)とはミャンマーに古くから伝わる寄付のスタイルのことで、古代仏教文化から継承されたものです。国や地域によってSa-Tu-Di-Tharにまつわるいろんな寄付のスタイルや文化がありますが、ミャンマーのSa-Tu-Di-Thar文化は他の国のものとは少し違っています。ミャンマーのSa-Tu-Di-Thar文化についてもう少し触れてみましょう。
Sa-Tu-Di-Tharの意味
Sa-Tu-Di-Tharの語源はパーリ語で、“Sa-Tu”の意味は“4”、“Di-Thar”は東西南北の4方位を表します。つまり、Sa-Tu-Di-Tharはどこから来た人でも誰でも参加できる寄付スタイルのセレモニーなのです。そう、誰でも、どの階層の人でもビュッフェ式のSa-Tu-Di-Tharを共に楽しむことができるのです。
Sa-Tu-Di-Tharの種類
Sa-Tu-Di-Tharの種類は2つだけ。まず路上で行うものですが、こちらはメジャーなタイプで、ミャンマー国内中で見かけることがあるでしょう。このタイプのSa-Tu-Di-Tharの提供者は関係機関に道路閉鎖の許可を取る必要があります。提供者は路上にテーブルや椅子を用意したり、“マンダット”と呼ばれる簡易テントを用意してSa-Tu-Di-Tharに人を呼びます。Sa-Tu-Di-Tharはみんなで楽しむものなので、その場所の近くに居れば誰でも参加していいのです。
もう一つは路上で開催しないタイプ。提供者は事前に食べ物や飲み物を用意して、パッキングも済ませてすぐに寄付できる状態にします。そして人々に無料の食べ物や飲み物を提供するのです。こちらのタイプの方が簡単に寄付をしたい人達向けですね。
提供される料理の内容は?
Sa-Tu-Di-Tharで提供される食べ物の内容は提供者によっていろいろ。主流はライスとチキン・ポーク・フィッシュのカレーにスープか何か一品つくパターンです。通常、誰でも食べられそうな一般的な料理が提供されます。またこれらのライスセットに合うようなミャンマー料理の一品も用意される場合があります。野菜の盛り合わせ(ミャンマー語でToe-Sa-Yar)と魚のペースト状ソース(ミャンマー語でNga-Pi-Yay)など。また、ミャンマーの軽食として知られるモヒンガー(フィッシュヌードル)や、Oo-No-Khout-Swel(ココナッツヌードル)、インド料理のビリヤニ(ミャンマー語ではDan-Pauk)などが提供されるSa-Tu-Di-Tharもあります。もし量が足りないようならボランティアの人や提供者に“おかわり”も頼めます。
提供者のタイプ
提供者は2タイプに分かれます。個人または家族ですべての費用をまかなうタイプ。もう一つが寄付を募って行うタイプでこちらが一般的です。Sa-Tu-Di-Tharはお祝いの内容によって高額になる場合があるので、何名かで費用を出し合うこともあります。
どうしてSa-Tu-Di-Tharをするの?
Sa-Tu-Di-Tharは通常“成功の証”として提供されます。大きな寄付やお祝い事を無事終わらせたときに、Sa-Tu-Di-Tharをボーナスの寄付として提供するのです。つまり、Sa-Tu-Di-Tharはお祝い事や成功など、良い事があったことの“しるし”となっています。
レビュー
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