タンリン(Than Lyin)ミャンマー最大の港町
2018-11-04edit yenaung皆さんこんにちは、黄金の国ミャンマーへようこそ!ミャンマーは東南アジア諸国の中でも、素晴らしいパゴダ(卒塔婆)の数々と息を呑むような大自然の風景が特徴的で、東南アジア内のみではなく、世界中から今注目が集まっている国です。ミャンマーは黄金に輝くパゴダ、美しい山脈、そこに流れる優雅な河川と壮大な滝、歴史的な建物に囲まれ独自の文化で暮らす人々の姿に美味しいローカルフードと、旅行者たちを存分に楽しませてくれます。気候も良いため、各国からのたくさんの人々が季節を問わずミャンマーを訪れます。訪れた旅行者の多くは、その煌めくパゴダが作り出す荘厳な風景、豊かな大自然を“黄金の国 (Golden Land)”と称します。
旅行者たちの多くは、ミャンマーの中でも知名度の高い人気のスポットであるヤンゴン、マンダレー旧王国、バガン遺跡群、ポパ地区、ピン・ルー・ウィン(メイミョー)、タウンジー、インレー湖、グエサウンビーチ、 ガパリビーチ等を訪れますが、ヤンゴンのタンリン橋を渡ったところにある美しく歴史あるタンリン島のことはまだ広くは知られていません。そこで、今回このたくさんの歴史に昔話、それにまつわる場所やパゴダが満載のこの島の魅力についてご紹介しようと思います。
タンリンはおよそ1380年前にヤンゴンの南部に作られました。場所としてはヤンゴンから車で約45分ほど行ったところにあります。この地域は温暖なため、農業がとても盛んです。ミャンマー最大の港町であるティラワ港を擁していて、ティラワ工業地帯もあるため、たくさんの工場や製造所があり近年ますます発展を見せている町です。公共交通機関も整っており、多くの学校、病院 (Tha Bar Wa総合病院はミャンマーに住む外国人の間でも有名です)、スーパーマーケット、映画館、大学、そして自然公園があります。その中でも、やはり何よりこの町の一番の特徴は、素晴らしいパゴダの数々です。
ヤンゴンの南東にあるタンリンとその周辺はとても住みやすい閑静な街です。仏教徒、キリスト教徒、イスラム教徒、シーク教徒にヒンドゥー教徒と多数の宗教が混在するこの町ではそれぞれのパゴダや寺院が隣り合わせに立ち並び、人々は互いに認め合い平和に暮らしています。気候も良く、人口も多すぎないので、首都から急行列車で数時間の旅で緑豊かな丘を背景に構える、野の花に彩られた自然の風景を楽しむことができます。
タンリンは、バゴー川南方のほとりに位置しており、1000年以上も前からミャンマーの主要な港として貿易が行われています。紀元前8世紀から16世紀の間は、アラブの商人団体や冒険家たちが西の海へと旅立ち、西欧諸国との貿易の要となる港として活躍していました。ミャンマーにおいて歴史ある町の一つであると同時に、ミャンマーの王族との関わりも深い町です。タンリンの旧称はシリアムといい、植民地時代はポルトガル人、フランス人、イギリス人にアルメニア人と多国籍の人々が暮らしていました。彼らの職業は貿易商や造船技師、船乗りに船のオーナーたち、労働者、そして傭兵と多岐にわたっていました。この時代背景が、現在のタンリンの多宗教文化を作り上げました。
町の観光スポットをいくつかご紹介いたしましょう。
1. チャイカウパゴダ(Kyaik Khauk Pagoda)
(出典:ウィキメディア)(出典: ウィキメディア)
このパゴダはHlaingpotkon Hill(現地ではオクタヤンガ・ヒルと呼ばれています)というエリア内で一番高い丘の上にあり、2300年以上前に当時のタンリン王により建設されました。中心町から車で20分ほどのチャイカウ・パゴダ・ロード上にあります。このパゴダはモン調の建築法を用いて造られており、シュエダゴン・パゴダとよく似た特徴を持っています。チャイカウ・パゴダ・フェスティバルは毎年2月(ミャンマー月の満月の日、ビルマ暦では11番目の月にあたります)に執り行われ、ミャンマーで2番目に大きな祭事と言われているためこれを目当てに訪れる観光客も数多くいます。外国人の場合、入場料は1人1USドルで、開館時間は午前6:30~午後8:00です。
2. ナッシンナーン王の地下墓地(Catacomb of Nat Shin Naung)
チャイカウ・パゴダの北方に位置するこの墓地は、昔タンリン王であったナッシンナーン王のものです。墓地にも古代モン調の装飾が施されています。もしこの墓地や埋葬されている王に興味があるのであれば、その歴史を知るために是非足を運ぶことをお勧めします。
3. チャッ・タンエィーレー・パゴダ(Kyaik Hmaw Wun Yele Pagoda)
(出典: ウィキメディア)
このパゴダは2000年以上前に紀元前3世紀に栄えたパダ王朝の7代目の王であったゼヤサナ王により建造されました。タンリンとチャウタンより南に15kmほどいったところにあるこの寺院は、小さな島に建設された水上寺院です。そのため、そこに行く唯一の手段は1人200チャット(約14円/2019年8月現在)を払い渡し舟で行くことですが、外国人は観光客用スペシャルボート(1人往復5USドル)でのみ訪れることができます。水上に浮かぶこの不思議なパゴダは、高潮や大雨の際も1度も浸水したことがないというのですから驚きです。海岸通りの堤防近辺にはたくさんのレストランや土産物屋が立ち並んでいます。外国人の入館料は2USドルで、開館時間は午前6時から午後6時までです。
4. 地下聖堂(Crypt of Minister Padeatha Yarzar)
古代ミャンマー王の地下聖堂がタンリンとチャウタン・ロードの間に位置しており、研究のため考古学者たちが訪れることで有名です。
5. ポルトガル・カソリック教会の廃墟(Portuguese Catholic Church Ruins)
(出典: ウィキメディア)
ここは、今でもヤンゴンからタンリン橋近辺で1925年より稼働しているタンリン製油工場の先駆けとなった、旧ビルマ製油工場(Burma Oil Company – BOC)の敷地内にあります。この教会は1747年に施工され、1750年に3年の時を経て完成しました。教会の建設にあたっては、アメリカ人貿易商のニコラス・デ・アグアラー氏が60,000ルピー相当のものを寄贈したといわれています。この教会はイタリア式建築技術でつくられており、ポルトガル人冒険家、フィリップ・ディ・ブリートの墓が巨大な壁に守られています。現存しているのは草木やコケに覆われた3つの巨大な壁と床面の一部ですが、この廃墟はまるで絵画のように美しい古風な佇まいで人々を魅了しています。古代の風を感じながら写真撮影をするには絶好な場所です。タンリンに行くならば、少し足を延ばしてここを訪れることをお勧めします。
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