スーレーパゴダ(Sule Pagoda)〜釈迦の神聖な髪が祀られているパゴダ〜

2018-11-20edit ShweYee

Sule pagodaスーレーパゴダはヤンゴンの中心地、チャウタダ・タウンシップのスーレーパゴダ通りとマハバンドゥーラ通りの交差点近くにあります。地元ミャンマー語では“チャイク・アトク・ゼディ”の名前で親しまれるこのパゴダのある場所は、ヤンゴン市街の商業中心部にあたります。パゴダ周辺には、ヤンゴン旧最高裁判所、ヤンゴン市庁舎などたくさんの植民地時代のコロニアル建築があります。これほど多くの旧植民地時代の建築が残されているエリアは他になく、植民地時代の雰囲気を味わいに、海外からの旅行者が必ずと言っていいほど訪れる人気スポットとなっています。旅行会社や地元団体が催行するウォーキングツアーも目にするでしょう。

Sule pagodaスーレーパゴダは「ヤンゴン市歴史文化遺産」に定められており、釈迦の聖髪が納められていると言われています。その歴史は、釈迦の在世中とされる約2600年前にさかのぼります。パゴダにまつわる歴史によると、当時、現在のパゴダがある地に存在していた、“スララタ”として知られるスーレー・ナッ神(精霊信仰)を由来に名付けられたとされています。寺院の名前にまつわる論議はその他にもたくさんされています。1988年の民主化運動、2007年の反政府デモの際には、寺院は民主化を求めるデモ隊の集合場所となりました。

スーレーパゴダの構造

Sule Pagodaスーレーパゴダは8角形のモン族スタイルの建造物で高さが48メートルあります。パゴダは当初もっと小規模なものでしたが、シンソー・プ女王(1453年〜1472年)によって現在のサイズと高さに増築されました。パゴダは、“ヒティ”と呼ばれる複数層からなる飾り屋根で覆われ、傘のような形をしています。4つの基礎ポイント(東西南北)に設置された4つの階段入口は、“ピャッ・タット”という何層にもなる屋根で飾られていて、メインのパゴダに通じています。メインのパゴダの周りはたくさんの仏像、小さな仏塔、銅鐘があります。
また、そこには週の8曜日(水曜日は午前と午後に分けられる)を表す8つの仏像も飾られています。だいたいの人は自分の生まれた曜日を表す仏像に参拝し、その仏像と付随する動物像に水を掛けます。そして、花、果物、食べ物、ゴールドリーフと呼ばれる金の葉をお供えします。パゴダの敷地内には寄付用のボックスとカウンターもあります。サイズ、形、時期の異なる10の銅鐘が置かれており、それぞれ寄付した人の名前と日付が刻印されています。パゴダの敷地外周辺にはたくさんの小売店、手相占いや占星術占いなどの宗教性のないお店が軒を連ねています。

スーレーパゴダの歴史

Sule Pagoda (出典: ウィキメディア)
スーレーパゴダは、“チャイク・アトク・ゼディ”とも呼ばれ、モン族の言葉で、“聖髪が祀られているパゴダ”を意味します。伝説によれば、パゴダが建つ場所はかつて“スララタ”と呼ばれたスーレー・ナッ神(精霊信仰)の住み家であったとされています。伝説の王様、オッカラパがナッ信仰の長であったサッカの力を借りてこのパゴダを建て、先人の3仏陀の聖なる遺物を納めたこのパゴダに、釈迦(ゴータマ・シッダールタ)の整髪も祀ったと言われています。
バングラディッシュのエンジニアであったソルトーン卿アレグザンダー・フレイザーが、このスーレーパゴダをヤンゴンの中心地に据えたと言われています。現在のヤンゴン市のレイアウトは、19世紀半ばに彼によって設計されたもので、その恵まれた立地、宗教的影響力の強さ、卓越した芸術性を考慮し、スーレーパゴダをヤンゴンの中心にしたのです。また、“スーレー”はミャンマー語語源で“集まる”という意味の、“ス・ウェイ”から派生しているとも言われています。スーレーパゴダは、地元住民や海外からの旅行者が行き交う忙しいヤンゴン中心地の風景に溶けこんでいます。

スーレーパゴダの場所

Sule pagoda (出典: ハイヤン)
スーレーパゴダは、植民地時代の建造物が立ち並ぶパンソダン通りに近く、ヤンゴン市街中心部に位置しています。集合場所や、市内観光、ウォーキングツアーのスタート地点として理想的な立地です。パゴダへは4つの横断歩道、またはミンガラ橋とマッギン橋と呼ばれる2つの歩道橋から簡単にアクセスできます。
北側の入口は1982年に設置されたもので、スーレーパゴダ通りからアクセスできます。階段を上っていくとすぐに、北の祈りの間に祀られた釈迦の尊像が見えてきます。また、北の祈りの間の近くには、バンヤンの木(別名ボディの木、菩提樹の一種)、仏陀の足跡、“アトゥラ・マン アウン”の仏像、スーレー・ボ・ボ・ギー像があります。
東側の入り口は1948年に建設されており、マハ・バンドゥーラ通りからアクセスできます。東の祈りの間にはカクサンダ仏の尊像が祀られています。東の祈りの間の近くにあるチェッ・タッ・ヤイ・サウン・ホールには、タガウン、バガン、インワ、タウングー、コンバウンなど過去の時代から伝わる数々の玉座が納められています。
南側の入口は1949年に建てられ、スーレーパゴダ通りからアクセスできます。コナガマナ仏の尊像は南の祈りの間に祀られており、近くには博物館や展示場もあります。博物館では、木製、銅製、真ちゅう製、そして石製などさまざまなタイプの仏像を見学できます。展示場は博物館に隣接しており、そこでは多くの絵画や写真が展示されています。それら仏像が描かれた絵画は、ネパール、日本、タイ、中国、カンボジア、インド、スリランカ、アフガニスタン、朝鮮などたくさんの国から集められたものです。
西側の入口は1941年に設置されたもので、マハ・バンドゥーラ通りからアクセスできます。西の祈りの間にはカッサパ仏の尊像が祀られています。西の祈りの間の近くにはアビダンマ アソシエーソンがあり、そこでは定期的にアビダンマ教室(古代仏教の教え)が開かれています。試験の合格者には、誇り高き認定書と賞金が贈られます。近くに、四角いレンガ作りの家の上に小さな仏塔が立つ建物がいくつかあります。これらは洞窟をイメージして建てられており、中では参拝者が瞑想できるようになっています。

スーレーパゴダの行き方

スーレーパゴダはヤンゴン市の南部に位置しており、ここが市の中心部にあたります。もしヤンゴンの市街地に滞在していれば、必ずスーレーパゴダを目にするでしょう。というのも、通りの真ん中、しかもチャウタダ・タウンシップの主要経路であるスーレーパゴダ通りとマハバンドゥーラ通りの交差点にあるパゴダはここだけだからです。

入場料と開場時間

スーレーパゴダの開場時間は、毎日4:00から22:00まで、入場料は1人3,000チャットです。パゴダの入口付近には履いてきた靴をしまうための靴箱があります。また寄付箱と寄付受付の有人カウンターがあります。サービス料としていくらか寄付を支払っても良いでしょう。ガイドによる案内サービスもあり、パゴダの歴史、仏教の教え、しきたりを説明してくれます。ガイド案内サービスの料金はネゴ次第。

近隣の観光名所

Sule Pagoda Sule Pagodaスーレーパゴダの周辺には観光名所がたくさんあります。マハ・バンド・ーラ公園にそびえ立つ独立記念塔、イマニュエル教会、モスク、すばらしい建築デザインで有名なヤンゴン市庁舎、代表的な植民地建造物として知られる旧最高裁判所、閣僚庁舎、ストランド・ホテルなど、徒歩圏内にその他にもたくさん植民地時代の建造物があります。

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