ザガイン地方域はミャンマーの地方の1つであり、国土の北西部に位置しています。この地域は、北はインドのナガランド州、マニプール州、アルナーチャル・プラデーシュ州、東はカチン州とシャン州、南はマンダレー地方域とマグウェイ地方域、西はチン州とインドに接しています。ザガイン地方域の首都はザガインです。この地域の面積はミャンマーで2番目に大きい93,527km²という広さを誇ります。ザガイン地方域は、ザガイン、シュエボー、モンユワ、カタ、カレ、タム、モーライク、およびカムティの8つの地域で構成されています。この地域の主要都市は、ザガイン、ミングン、モンユワ、シュエボー、カレです。主な民族は、バマルの他、シャン(チンドウィン川上流で生活)、ナガ(北西山脈北部で生活)、ゾミ(南部に生活)、カドゥ、ガナン(ムー川渓谷とメザ川渓谷上流域で生活)といった少数民族が住んでいます。中でも世界で最も有名な祭りの一つであるナガ新年祭りには、多くの観光客が訪れミャンマーの珍しい部族の文化に触れています。このお祭りは原則1月に催されます。
ミングン(Mingun)
ミングンパトダウジーとミングンの鐘
ミングン・パトダウジーはザガイン地方で最も有名な観光スポットの一つです。1790年代にボードーパヤー王によって建設が開始されたものの、仏塔が完成すれば国王が崩御し、国家も崩壊するだろうという予言から、意図的に未完成のまま残されました。この仏塔は50メートル(164.042フィート)の高さになった段階で建設が中止されたのです。これは当初予定していた高さの3分の1にすぎません。ミングン・パトダウジーに興味があり、コンバウン王朝ビルマの芸術や工芸品をより詳しく知りたいという場合は、ミングン・パトダウジーの原型であるポンドーパゴダを見るのも良いでしょう。 この仏塔はミングン・パトダウジーの南東およそ320メートルの川岸にあります。 1839年3月に起きた地震により、ミングン・パトダウジーは甚大なダメージを受け、現在も巨大なひびが入ったままです。ここに着いたら、東側の階段を登ることをオススメです。エーヤワディ川や緑の美しいミンガンの丘などの大自然を楽しむことができます。
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ミングンの鐘は、1808年にボードーパヤー王によってミングン・パトダウジーに吊るす目的で作られました。この巨大な鐘の重量は55,555 Viss(ビルマ語でPeik-Thaとして知られる重さの単位で)あり、キログラムに換算すると90717.426 kg(1 Viss = 1.63293 kg)となり、高さはおよそ3.7メートルあります。現地のほとんどの人は、ビルマの天文学と数霊術の5番目の子音を表す「Min Hpyu Hman Hman Pyaw」を記憶しています。 2000年までは世界最大の鐘として記録されていました。
ミャテインタンパゴダ(Mya Thein Tan Pagoda)
ミャティンタンパゴダは、1816年にボードーパヤー王の孫にあたるパジードー王によって、その最愛の王妃シンピューメの追悼として建立されました。この仏塔はシンピューメパゴダの異名を持ち、ミングン北部のザガインにります。パゴダを囲む波のような7つのテラスは、7つの川を意味し、7つの同心円状のテラスは、仏教神話にあるメール山へと続く7つの山脈を表しています。仏教の神話によると仏塔はスラマニパゴダをモデルにしており、周囲の尖塔は精霊のすみかを表しています。 3つの神殿は、ブッダが忉利天から降りるために用意された Thingathanago というものでそれぞれ53段あります。
Blog: https://mingalago.com/ja/interest/detail/shwebo
ザガイン
ザガインヒル
ザガインヒルは、エーヤワディー川に隣接した丘陵で、何百もの白や金銀の仏塔や僧院で有名です。この地域には300以上の宗教的建造物があり、瞑想をするのに適した場所の1つであるため、ミャンマーの仏教信仰の中心地としても知られています。ここではミャンマー仏教文化にとても活気があり、素晴らしく、平和な雰囲気に満ちた場所です。
Soon Oo Pon Nya Shin Pagoda
Soon Oo Pon Nya Shin Pagodaは、ザガインヒルにある37の丘の1つであるNga Pha Hillの頂上にあります。この仏塔はブッダの聖遺物が祀られており、1312年にU Pon Nyaによって建立されました。言い伝えによると、最も早いSoon(仏教徒の敬語表現で使用される言葉で朝食の意味)は、どれだけ早く行っても、常に誰かにもう提供されています。パゴダのお祭りは、毎年7月に開催されるワソー満月の日(ミャンマー暦の4か月目)に定期的に開催されます。
U Min Thonse Pagoda
U Min Thonse Pagoda(U Minは「洞窟」を意味し、Thonseは「30」を意味するため、「30の洞窟の仏塔」とも呼ばれます)は、ザガインヒルに位置し、高僧Padugyi Thangayazaによって建立されました。この仏塔はブッダの異なる教えを示すために建てられました。塔の内部には、説法に45年を費やしたブッダを記念する目的で45体の仏像があります。
U Min Koese Pagoda
U Min Koese Pagoda(U Minは「洞窟」を意味し、Koeseは「90」を意味するため、「90の洞窟」とも呼ばれています)はザガインヒルにあり、インワ王ミンガウンによって建てられました。この仏塔の元の名前はSinpho Hlai Pagodaでしたが、1293年にU Min Chaukse、1330年にはU Min Koeseに改名されました。
Tilawkaguru 洞窟僧院
Tilawkaguru洞窟僧院はサイガンの寺院が点在する丘のふもとにあります。 1670年代に建立され、瞑想を目的とした洞窟でした。赤、黄、青、ターコイズなどの美しく鮮やかな色彩で描かれ、生き生きと印象的な洞窟絵画を見ることができます。絵画には、ブッダ、動物、戦士、戦、商人、遊女、王、農民、神話上の生き物などの生活が描かれています。基本的に扉には鍵が掛かっているので、扉を開けるには現地の方に手伝ってもらう必要があります。
The Sitagu International Buddhist Academy
Sitagu International Buddhist Academyは1994年、ミャンマーのSitagu協会会長であるThegon Sayadawによって、Saddhammaの3つの教えであるPariyatti(学問)、Patipatti(修行)、Patipvedha(既存の世界におけるダーマへの気づき)を広めることを目的とし、設立されました。 Sitagu協会は、仏教学やその他関連学問において、資格を持つ僧、尼の他普通の人にも大卒レベルの教育を提供する世界水準の教育機関として設立されました。学園は、ザガインヒルおよびミンウン西部に位置するSoon Oo Pon Nya Shin Pagodaのほど近くにあります。
詳細はこちら(http://www.myanmarnet.net/nibbana/stacdamy.htm)を確認してください。
Kaung Hmu Daw Pagoda
Kaung Hmu Daw Pagoda(別名Yaza Mani Sula Kaunghmudaw)は、ザガイン北西部に位置しています。この仏塔は1636年にタールン王によって建てられ、完成までに12年を要しました。 Kaung Hmu Dawは、他の伝統的なスタイル(基本的にピラミッド型)の仏塔からは異なる、その卵型のデザインで有名です。塔の高さは46 m(150.92フィート)で幅は全長274 m(898.95フィート)です。一説によると塔には、ブッダの左下の歯と11本の毛髪、布施鉢、彫像、仏塔、その他の聖遺物が祀られています。
モンユワ
タウンボッデー寺院
タウンボッデー寺院はモンユワの南東15 kmに位置し、1939年に高僧Mohnyin Sayadaw U Thumanaによって建立されました。 完成までは13年を要し、1952年に完成しました。この塔は、大変ユニークで、建築的に高いデザイン性を誇ることで有名です。入場門は壮大な2頭の白い象の像で守られています。仏塔は通常、神話上の獅子(ミャンマー語でChinthesと呼ばれる)によって守られているため、象がいるというのは仏教的に神聖で縁起が良いのです。メインの仏塔の高さは40 mで、多くの仏像で覆われ、内壁と外壁両面に582000体を超える大小の仏像があります。仏塔の祭りは、1年に1回、タザウンモン満月の日(ミャンマー暦の8か月目)である11月に祝われ、通常数日間続き、全国から来る参拝者で非常に混雑しています。パゴダは毎日午前8時から午後6時ま開館しており、入場料は1人3ドルです。
Laykyun Setkyar立仏像と寝仏像
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Laykyun Setkyar立仏像は高僧Bodhi Tahtaung Sayadawによって2008年2月に建てられました。116 m(380.58フィート)の高さを誇り、世界で3番目に高い仏像です。仏像はPo Khaung山にあります。彫像の中は空洞になっていて、階段を登って風景を楽しむことができるようになっています。寝仏像は、立仏像から下る道すがらに立ち寄れます。
ボディタタウン(Bodhi Ta Htaung)
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Bodhi Ta Htaung(Bodhiは菩提樹を意味し、Ta Htaungはミャンマー語で「千」を意味する)は1960年にSayadaw U Naradaが千本の菩提樹を植え、各木の下に仏像をおいたことで完成しました。 菩提樹は、ブッダがその下で悟りを開いたことから仏教徒にとって宗教的に重要な意味を持つ木です。当初は1000本の菩提樹が生える6万平方メートルの広さでしたが、現在は9,000本以上の菩提樹が植えられ、1平方キロメートル以上に拡大されています。
Alaungdaw Kathapa
Alaungdaw Kathapa洞窟は、モンユワの有名な巡礼地の1つです。 1941年に野生動物保護区に指定され、1984年に国立公園となったAlaungdaw Kathapa国立公園の中心に位置します。ミャンマー最大の国立公園です。毎年、乾季には何百人もの訪問者がこの場所に巡礼に訪れます。毎年ここで祝われるお祭りは2つあります。最初の祭りは、タボドウェ満月の日(通常ミャンマー暦の11月目、2月)、2つ目の祭りは、タバウン満月の日(通常ミャンマーの12月目、3月)です。バスで丘陵地帯まで行き、そのあと象に乗ったりトレッキング(およそ1時間)を行い、自然を楽しみつつAlaungdaw Kathapa洞窟を見ることができます。丘陵地帯への道は非常にでこぼこで埃っぽいです。雨季には道路の通行ができないため、国立公園へは12月から5月までの時期しか行くことができません。 言い伝えによると、Alaungdaw Kathapaはブッダのもとで悟りを開いた高僧でした。彼の死後その遺体を焼くことはできませんでした。新しいArimaytaya Buddhaがこの世界にやって来るまで焼くことはできません。彼の遺体は洞窟の中に封印され、入り口は石の扉で覆われています。石の扉には信者が金箔で装飾を施しました。洞窟に行く途中には神社があり、Alaungdaw Kathapaの像を見ることができます。
Pho Win Hill
Pho Win Hill(ミャンマー語ではPho Win Taungとして知られています)は、チンドウィン川の西岸にあり、モンユワの西約25 km(15.53マイル)にあります。ここには、豪華に装飾された砂岩の洞窟が940以上あり、無数の仏像や色鮮やかで保存状態の良い壁画もあります。見事な装飾の洞窟と、素晴らしい古代の仏像の数々が保存された洞窟を見ることができます。一部の像は地元の参拝者によって金箔がつけられています。このすべての仏像と壁画の歴史は、14世紀から18世紀までさかのぼります。多くの仏像と東南アジア地域の壁画を楽しめます。
Shwe Ba Hill
Shwe Ba Hill (ミャンマー 語でShwe Ba Taung とも呼ばれます)は、Pho Win Hillのすぐ近くに位置します。Shwe Ba Hill は、丘に洞窟、寺院、仏像などを彫ったU Shwe Baによって作られました。46部屋の洞窟には石灰岩でできた通路から入ることができます。25フィートの通路は狭い石の階段に続いています。両側に寺院を作るための列を作成するために、垂直に彫られています。寺院、仏像、神社、通路の全体がテクノロジーには頼ることなく、硬い岩から手作業で作られたものです。また、洞窟の中には13世紀頃の壁画を楽しめるものもあります。とても興味深く、隅々まで信じられないほどの素晴らしさが散りばめられた場所です。
天候
ザガインの夏は非常に暑く、曇ることもしばしばあります。冬はかなり寒く、大部分は晴天です。サガインの気候は一年中乾燥していますが、夏にサガインの丘陵部に行く場合、エーヤワディ川方面から吹く心地よいそよ風を感じることができます。
ザガインへのアクセス
ヤンゴンからザガインまで最安で行く方法はバスです。料金は20ドルからで、約11時間かかります。ヤンゴンからザガインに到着する最速の方法は、飛行機です。料金は110ドルからで、約3時間かかります。ヤンゴンとザガインの距離は564 kmです。ザガイン周辺にはホテルがたくさんあり、価格は1泊21ドルからです。